往生決定

皆様こんにちは。武庫之荘 浄土真宗 真光寺 楠木光雲です。

本日は『歎異抄』という書物に記されている一つのエピソードについてお話させていただきます。

親鸞聖人の弟子に唯円という方がいました。ある日、唯円は親鸞聖人に尋ねます。
「往生の道は念仏しかないと信じ、たゆみなく念仏を申していますが、踊りだすほどの歓喜の心がいっこうに起こってきません。また急いで浄土へ参りたい心が生じないのはどうしてでしょうか」
この質問は弟子が師匠に向かって、なかなか言い出しづらい質問だと思います。

こんな質問をすれば「分かり切っているではないか。それはあなたの信心が足りないせいだ」と言われんばかりの質問だからです。
親鸞聖人は勇気を出してこの質問をした唯円にどのような対応をされたのでしょうか。

親鸞聖人はこのようにおっしゃいました。

「唯円も私と同じ気持ちであったか。よく考えてみれば、天に踊り地に躍るほどに喜ぶべきことを喜べないのは、いよいよ往生は決定していると思うべきです。喜ぶべきはずの心が抑えつけられ、望ましいことが望ましいと感じられないのは、これこそ私たちが煩悩を兼ね備えている凡夫であるという証拠ではないですか。阿弥陀如来の本願力は、このような私たち凡夫こそを救いの目当てとされているので、私にはいよいよ往生が間違いないと思われてならないのです」

親鸞聖人はおごり高ぶることなく、若く未熟な唯円と同じ目線に立って、疑念を解きほぐしていかれました。

謙虚であり、自分のことをきちんと内省することが出来る方、それが浄土真宗の開祖親鸞聖人であります。

 

南無阿弥陀仏

 

浄土真宗本願寺派 真光寺

兵庫県尼崎市南武庫之荘1丁目8番5号

阪急武庫之荘駅南側 徒歩3分

ホームページ http://sinkouji.main.jp/

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