年始のご挨拶

皆様、遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。尼崎 武庫之荘 真光寺 楠木光雲です。

皆様のおかげで今年も無事に新しい年を迎えることができました。今年もたくさんのご縁をいただき、その一つ一つの尊いご縁を大切にして、一生懸命お勤めをさせていただきたいと思っています。

皆様にはいつも支えていただき、感謝しております。今年も何卒宜しくお願い致します。

年末年始は忘年会や新年会などたくさんの方々とご一緒させていただきました。そのときに一番多かった質問が、「仏様、阿弥陀様はいるの?」でした。

仲が良く、気を遣わないで会話を出来る友人や知り合いの方ほど、このようにストレートに質問をしてくれます。

本当は疑問に思われている方、そのようなことを片隅では感じながらも聞けずにいる方、たくさんおられるのではないかと思いました。

この質問をされる方は仏様を物体的にしか見ることが出来ていないのだと思います。もしも、物体的に仏様を捉えようとするならば、ここに仏様を連れてきてくださいと思うのではないでしょうか。反対に、仏様がいないと答えたならば、やはりいないのだな、よくそんなでたらめことを言うなと思ってしまいます。

実は仏様は物体的だけでなく、心や感性で捉えていかなければなかなか理解するのが難しいのです。

専門的な用語で申し上げますと、唯物論ではなく唯心論で仏様を見ていくことが必要であるということです。

仏様は限定を超えた存在、無量であります。ですが、何かよくわからない存在に対して心から手を合わし、頭を下げようと思えるでしょうか。

半信半疑、そしてなんだか嘘くさいと思っているものに対して感謝できますでしょうか。

もっと僧侶は仏様とはこのような存在であると確信的なことを言っていくべきかと思います。

何度も申し上げますが、仏様は量り知れることのない存在ですから、こういうものだとは申し上げられませんし、申し上げてはならないのかもしれません。

ですから、私が味わった仏様をご紹介させていただき、それをヒントに、各々にとっての仏様を見つけていただければ幸いです。

仏様は、故人様を想う心、故人様が私たちを想う心。ご先祖様や様々な方、数え切れないいのちのお蔭で生活をすることが出来ている、お蔭様という気持ち。たくさんの方々、そしてものに支えられている、その支え、その支えに対する感謝。煩悩だらけで自己中心的であるということを気付かしめる教え、無量の智慧。

まだまだ、言い尽くすことはできませんが、それら全てをたった一言で申し上げると南無阿弥陀仏、仏様というのではないでしょうか。

そのようなことに気付くことが困難な私たちに、わかりやすいように仏像にも絵像にも名号にもお念仏にもなってくださっているのだと思います。

これらの味わいは私の味わい方ですので、共感出来ない部分もあるかと思います。

私の現状での仏様はこのようなお方です。また日々変化していくと思います。

全てに感謝をして、ご縁、境遇、周りの方々を大切に、ご自分の仏様に出会っていただければ幸いであります。

南無阿弥陀仏

浄土真宗本願寺派 真光寺

兵庫県尼崎市南武庫之荘1丁目8番5号

阪急武庫之荘駅南側 徒歩3分

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