皆様こんにちは。尼崎 武庫之荘 真光寺 楠木光雲です。
本日は『六度集経』の中に出てきますシビ王の話を通して、阿弥陀様の平等なるお心を味わってまいりたいと思います。

よろしくお願い致します。

あるとき、シビ王という国王のところに一匹の鳩が逃げ込んできます。

この鳩は何から逃げてきたのかといいますと、鷹に襲われて逃げてきたのでございます。

国王はかわいそうに想い、鳩を助けて匿うことにしました。

そこに、少し経って鷹がやってきます。

そして、国王に対して言うのです。

「その鳩を返してください」

国王は「この鳩は返すことは出来ません。何故ならば、返してしまうとあなたはこの鳩を食べてしまうでしょう？だから、返すことは出来ません。」と言い返しました。

鷹はめげずに言い返します。

「私は鳩を食べて生活をしております。その鳩を助けるということは、国王様、あなたは私に対して死んでくださいと言っているも同然ですよ。」

確かに納得できるところもあったため、シビ王は困ってしまいます。

代わりになるものを探すのですが、鷹は生きている肉しか食べないと言っているので、もちろん、代わりになってくれるものなどいません。

そこで、シビ王は鷹に自分の手を差し出すことにしました。

しかし、天秤に鳩と自分の手をのせたところ、鳩の方が重いのです。

仕方なく、次に足を差し出しました。

天秤にかけると、まだ鳩の方が重いのです。

恐る恐るシビ王は天秤に身を乗り出し、全ての体を差し出しました。

すると、天秤は水平になったのです。

つまり、このシビ王のお話は何を表しているのかといいますと、命の平等性でございます。

鳩も鷹も人間も命の重さは一緒であるということです。

私たちは、命を平等に見ることが出来ているでしょうか。

どんな虫も、どんな嫌いな人も、自分の命と同じように尊い命と見ることが出来ていますか？

現実問題、難しいと思います。

自と他が一つであるという世界、感性を阿弥陀というのです。

到底なることが出来ないお心ですが、そのお心を大切にさせていただきながら、自分の劣悪な部分に目を逸らさずに向き合っていくことが非常に大切なことではないでしょうか。

共に、平等なるお心を大切に、精一杯毎日の生活をさせていただきましょう。

南無阿弥陀仏

浄土真宗本願寺派　真光寺

兵庫県尼崎市南武庫之荘１丁目８番５号

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