自灯明 法灯明

皆様こんにちは、武庫之荘 浄土真宗 真光寺 楠木光雲です。

本日は浄土真宗の御荘厳(輪灯、灯籠)についてお話させていただきます。

お釈迦様がご臨終になられる直前、側近のお弟子さん達がとても悲しまれてこのようなことを尋ねられます。

「お釈迦様、私たちはこれまであなただけを頼りにして生きてきました。しかし、あなたにも命には限りがあり、とうとうそのときがきてしまいます。これからは、何を頼りにしていけばいいのでしょうか。もうどうしていけば良いか分かりません。どうかお教えくださいませ。」

お釈迦様は一喝され、お答えになられます。

「何をうろたえているのですか。あなたの人生はあなたの足でしか歩んでいくことは出来ません。他の人に任せることは出来ません。自灯明。今までももちろんそうしてきたと思いますが、自らを明かり、また灯として生活していきなさい。」

そして、お釈迦様は続けてこのようなこともおっしゃられました。

「しかし、勘違いしてはならないことが一つあります。自らを灯として自分の足でしっかりと道を進んでいくのだけれども、我がはからい(自らの考え、自らの価値判断能力など)は頼りにするべきではありません。自分の人生経験をもとに色々なものを判断すれば、必ず迷い、悩んでしまいます。」

お弟子さん達は疑問に思われて尋ねられます。

「では、他人に任せずしっかり自分の人生を自分で歩んでいき、何を基準に生活させていただいたらよろしいでしょうか。」

お釈迦様はもう一つお教えくださいます。

「私が今まであなた方に教えてきたことがありますよね。その教え(仏という御心)をこれからはあなた達の生活の柱(基盤、羅針盤)としていきなさい。法灯明。そうすれば、一切皆苦という厳しい道のりも迷うことはありません。」

お釈迦様は私たちに自灯明、そして法灯明ということをお教えくださいました。

お釈迦様がお教えくださった自灯明、法灯明という教えをしっかりと味わうために、輪灯や灯籠に二つ明かりを灯すのであります。

御荘厳をご覧いただくときに、ただなんとなく綺麗というところにとどまらず、深い意味を味わいながらご覧いただければ幸いであります。

 

南無阿弥陀仏

 

浄土真宗本願寺派 真光寺

兵庫県尼崎市南武庫之荘1丁目8番5号

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