皆様こんにちは。武庫之荘の真光寺僧侶楠木光雲です。
正信念仏偈の龍樹章に
顕示難行陸路苦
信楽易行水道楽
という御文があります。私はこの御文にとても心が響きましたので、一緒に味わってみましょう。
この二行はこのようなことを表しています。
自分の力(自力)で悟りを開いていくことは、難しい行であってとてつもなく長い道のりを歩いていくようなものであり、反対に、阿弥陀如来様の願力におまかせして(他力)悟りを開いていくことは、誰でもおこない易い行であり、海の上を阿弥陀如来様というお船に乗せていただいてスーッと渡っていくようなものである。
よく、滝に打たれたりだとか何十日間も歩き回ってお経を何万回も称えたりされるのですか?と質問されます。しかし、浄土真宗の教えは自分の力が弱いことや自己中心的な生き物であるということに気付き、自分の力ではどうすることも出来ないので、阿弥陀如来様の願力におまかせして往生成仏させていただくというものであります。
そのため、自分は自己中心的で弱い人間だと気付くためには、厳しい修行も大切かとは思います。しかし、自力で悟りを開くことは至難の道であります。あの親鸞聖人や法然聖人ですら、生きている間は煩悩(人間の欲、人間のドロドロした汚い心)が消せないとおっしゃられています。
偉大な親鸞聖人や法然聖人が不可能なことを私たちがやり遂げられるでしょうか。私にはそんな自信はありません。
人それぞれにあった道を選択すればそれで良いと思います。私は浄土真宗の教えを選びたい、お勧めしたいと思います。
ここで一つ注意しておかなければならないことがあります。それは、よく他力本願を勘違いして楽な教えと捉えてしまう方もおられます。
そうではありません。
しっかりと努力した上で煩悩がたえない私たちであると自覚し、お願いや自分の功績のための念仏ではなく、感謝の念仏を称えてまいりましょう。
本日は御一緒に御味わいしていただきありがとうございました。
南無阿弥陀仏
浄土真宗本願寺派 真光寺
兵庫県尼崎市南武庫之荘1丁目8番5号
阪急武庫之荘駅南側 徒歩3分
楠木光雲